山岸巳代蔵の思想
〇中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』を読みながら、山岸巳代蔵とヤマギシズム運動について考えていた。 そこで中島岳志は、「明治期に近代化の過程で『自己とは何ぞや』と悩んだ煩悶青年らの潮流が国体論的なユートピア主義に傾倒し、その煩悶青年の一部…
〇ヤマギシに限らないが、思想的な集団における個人のあり方や、総意の形成について『山岸巳代蔵伝』に記録したことがある。【ある種の思想的な集団にとって、組織の活動の広がりにともない、一人ひとりの自由意志力による総和というよりも、管理維持的な要…
〇「金の要らない楽しい村」考②で紹介した「研究家・実行家に贈る言葉」に続いて「総論」がある。これは(未完)になっている。▼《「総論」 人間は考え過ぎる。 複雑に考え過ぎる。 二つの課題を同時に考える時に複雑になり、考えることはよいのであるが、考…
〇金の要らない楽しい村《金の要らない楽しい村》は、一九六〇年五月に三重県津市において山岸巳代蔵によって口述され、中村美須枝と大江博が筆記したと伝えられている。 この資料は、〈山田村の実況〉と共に、ヤマギシズム生活実顕地をつくろうとする人達の…
〇《金の要らない楽しい村》は、一九六〇年五月に山岸巳代蔵によって口述されたものを起こした資料の題名である。この資料は、〈山田村の実況〉と共に、ヤマギシズム生活実顕地をつくろうとする人たちの研鑽資料として使用された。 これがヤマギシズム社会・…
〇「心あらば愛児に楽園を」は『ヤマギシズム社会の実態』(通称「実践の書」・青本)にある言葉で、その書は山岸巳代蔵の代表的な著作で、参画者にとって、ヤマギシ会に深く関わって人にとって、もっとも馴染みのある本だと思う。 本書は、養鶏をはじめ実際家…
〇守下尚暉『根無し草:ヤマギシズム物語1学園編』を紹介したとき、元学園生から養鶏書にある記事の写真とコメントをいただきました。〈 生魚屑養鶏を排する理由 生魚屑につきましても、農業養鶏では、無代で庭までそれを運んで貰っても「使うな」と強調して…
※山岸巳代蔵がヤマギシズム社会はどのような社会なのか述べたなかで、もっともよく現れているのは『ヤマギシズム社会の実態』の「一 真実の世界」の「各々真実の自分を知り、それぞれが真実の生き方の出来る社会を、ヤマギシズム社会としているのです。」と…
※わたしが持っている資料や『山岸巳代蔵伝』から山岸巳代蔵の著作を随時紹介していこうと考えています。なお、『山岸巳代蔵全集』は大きな図書館にはあると思うので、原文および関連するものはそちらを調べてください。 〇『正解ヤマギシズム全輯 第二輯』「…
※ 阪神・淡路大震災から25年、今年は特に、記憶・教訓を継承する重要性を語る論調が目につく。 振り返って私が25年余所属した実顕地を離脱してから20年近くたつ。 吉田光男さんの『わくらばの記』は、2016年1月に食道癌で長期入院することになり、それ以前か…
〇山岸巳代蔵の思想についての覚書(2) 山岸巳代蔵の「ヤマギシズム社会の実態」に次の表現がある。 〈各々の立場において、真実、それに自己を生かすことによって、闘争等絶対に起るものではなく、かえって工場は繁栄し、自己を豊かにします。妻は妻、夫…
〇理想と具現方式 リンク先のF氏のブログ「自己哲学第2章『反転する理想』」の(22)「権威」から<権力>化への、わが<貢献> ①を読んで、いろいろ思うことはある。ここではまず、知人の要望に応えているのかどうか分からないが私の思うことを書いてみる。…