○振出寮との関わり
その頃のわたしは、昼間は豊里実顕地の第二次製品部の牛精肉部門で仕事をしていたし、予備寮の世話係など他のこともしていたので、主に夕食前後、車で30分程の振出寮のある東部実顕地にいき、打合せ・研鑽会などして、夜中に豊里Gにある居宅に帰る生活が続いた。
したがってよく分からないことがあるかもしれない。
なお、振出寮入寮体験者の記録が手元にほとんどないので、いろいろ検索してみた。
そこに次の記事があった。
わたしもよくご存じの豊里実顕地Aさんのスイス実顕地に交流したときの2017年10月の日誌から抜粋する。
〈あと数日でスイス交流の日程を終えます。僕にとって実顕地交流も夫婦での交流も初めてのことで、この3ヶ月はとても新鮮で楽しく、ゆったりとした時間を過ごす事ができました。仕事を放し、職場を放し、実顕地を離してみると、送り出してもらうばかりで、自分はこの事に何もしていない事に気付きます。そして受け入れてもらい、見守られながら暮らす毎日は、かつての振り出し寮を思わせる身軽な自分を取り戻していく暮らしの様に感じました。〉
振出寮の入寮体験では、このような感想を抱いた人も多かったような印象もある。
一方、恨み辛みをぶちまける方もいる。直接私には、Kという方だけだが。
Kさんからは、何年にも亘って、葉書や私の携帯のSMSにメールが来ていた。
振出寮に関して、いくつか彼なりに考えた作り話のような記録もあり、私はどうだろうかと思っている。
通常10数人入寮していたので、その頃の様子は、同時期に入寮していた人たちに聞いたらよいかと思う。
また、ときおり次のような文章が送られてきた。
《お気の毒だが、貴殿は遠からず地獄へ堕ちて頂く他はないな。》
《貴君等の余生に安心立命はないと承知召されたい。》
《強い非難を浴びる事は愉快でないのは承知の上だ。しかしこの場合では当方はいっそ大いに愉快だ。》等々。
彼にも言い分があると思い、それ迄携帯へのSMSはそのままにしていたが、何人かの人にも同じようなことをしているようで、先日SMS拒否設定をした。
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○今の時点で、振出寮に思うこと。
社会では各種物が溢れ、不要な物を断ち切り、物への執着心をなくすことで、身軽で快適な生活や人生を手に入れようとする考え方「断捨離」などに関心のある方が増えている。
また、身体面では、一定期間食事を断つ断食(ファスティング)などがある。
それと同じような体験として、振出寮を考えてみても面白いと思っている。
ありあわせの食べ物と寝るところがあり、最低限生きていけるような配慮はしてあるが、特に他には何もない、むろん、新聞、雑誌、テレビ、スマホ等々もない。
各種のしがらみから自由になって、「ないで当り前」の環境で、一定期間過ごしていく振出寮のような仕組みが面白いのではないだろうか。
それには、どのような仕組みを用意したらいいのか、関心のある方で、じっくり考察する必要がある。
別に「ヤマギシ」と繋げることもないと、わたしは考えている。