広場・ヤマギシズム

ヤマギシズム運動、山岸巳代蔵、実顕地、ヤマギシ会などに関連した広場

◎〈対話〉と〈けんさん〉②(鶴見俊輔の「特講」体験などから)

〇私が所属していたコミュニティはヤマギシズム運動の実顕地のことで、実顕地特有の課題もあるだろうし、理想や理念を掲げた組織、コミュニティ共通の陥りやすい問題もあるだろう。 このコミュニティの特色として、すべてのことを「けんさん」及び「けんさん…

◎〈対話〉と〈けんさん〉➀((平田オリザ、中島義道の「対話」論から)

〇最近〈対話〉に関する優れた著書の、平田オリザ著『対話のレッスンー日本人のためのコミュニケーション術』、中島義道著「対話のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの」に触れて、〈研鑽(会)〉のことを思いながら読んでいた。 両書とも、〈会話〉は〈…

◎ある元学園生のブログから

〇ブログ「広場・ヤマギシズム」ではヤマギシズム学園のことに度々触れている。 私は学園の運営などに直接関わっていなかったが、様々な部門で中心になって動いていた。その構造からさまざまな学園問題が生じたこともあり、当然私自身の課題になってくる。 …

◎調正機関に参画することについて

※今回は参画という角度から、実顕地のことをみていく。〇1958年の『百万羽』の設立から始まった参画者は、1961年4月に、参画者の本財(人)及び雑財を調正する機関としてヤマギシズム生活中央調正機関が発足し、その一員となる。 参画者の条件として…

◎「広場・ヤマギシズム」の役割。(村岡到『ユートピアの模索』に触れて)

〇2017年12月にブログ「広場・ヤマギシズム」を立ち上げた。 それは、ヤマギシのことを考えていける一つの広場と思っている。また、後の研究者などに繋げればいいかなと思っている。 戦後生まれたコミュニティー・共同体の規模、現在まで続いている継続年数…

◎「ひとつ」という見方。

〇先週、1976年実顕地本庁のもとに強力に一本化されるようになった後の、実顕地の変容について記録した。強力に一本化することの弊害について、別の角度から見ていく。 実顕地では、「何々一つ」の表現がよく使われていた。 〈財布一つ〉〈実顕地一つ〉…

◎「われ、ひとと共に繁栄せん」から「われ、実顕地と共に繁栄せん」へ

〇前のブログで次のように書いた。 〈1976年になって、中央試験場は春日山実顕地、北海道試験場は別海実顕地の名称になり、実顕地本庁のもとに一本化されるようになり、試験場機能は衰えていく。 これはヤマギシ会の歴史における、大きな転換点の一つで…

◎〈だれのものでもない〉(「金の要らない楽しい村」考⑤)

〇山岸巳代蔵の思想の根を簡潔に表現すれば次の数語になると私は考えている。 〝共存共生の世界〟 〝だれのものでもない〟 〝だれが用いてもよい〟 〝最も相合うお互いを生かし合う世界〟 これは1960・1・30の日付となっている『正解ヤマギシズム全輯』…

◎資料『金の要らない楽しい村』「総論」から(「金の要らない楽しい村」考④)

〇「金の要らない楽しい村」考②で紹介した「研究家・実行家に贈る言葉」に続いて「総論」がある。これは(未完)になっている。▼《「総論」 人間は考え過ぎる。 複雑に考え過ぎる。 二つの課題を同時に考える時に複雑になり、考えることはよいのであるが、考…

◎「ヤマギシズム生活実顕地」構想(「金の要らない楽しい村」考➂)

〇この論考は山岸巳代蔵の構想「金の要らない楽しい村」について様々な角度から見ていこうと思う。 各種の問題はあるが、一つの社会実験として見た場合、現ヤマギシズム実顕地の「無所有共用共活」の仕組み及びそれに付随する「終生生活保障」のシステムが、…

◎資料『金の要らない楽しい村』「研究家・実行家に贈る言葉」(「金の要らない楽しい村」考②)

〇金の要らない楽しい村《金の要らない楽しい村》は、一九六〇年五月に三重県津市において山岸巳代蔵によって口述され、中村美須枝と大江博が筆記したと伝えられている。 この資料は、〈山田村の実況〉と共に、ヤマギシズム生活実顕地をつくろうとする人達の…

◎「金の要らない楽しい村」について➀

〇《金の要らない楽しい村》は、一九六〇年五月に山岸巳代蔵によって口述されたものを起こした資料の題名である。この資料は、〈山田村の実況〉と共に、ヤマギシズム生活実顕地をつくろうとする人たちの研鑽資料として使用された。 これがヤマギシズム社会・…

◎「わくらばの記」-吉本隆明との対話から(2016-09-18)の再録。

※25日に掲載した【◎私のこと、このブログ「広場・ヤマギシズム」のこと。】に関連して4年前に書いた記事を再録する。 この記録は吉田光男さんの「わくらばの記―病床妄語」に触れて述べたもの。 1990年頃のヤマギシ学園は、推進メンバーたちが描く理想像か…

◎私のこと、ブログ「広場・ヤマギシズム」のこと。

〇5年前に始めたブログに、ヤマギシ関連のことを述べると、そういうお前は何なんだと言われることもある。 これまでも断片的に触れているが、簡単に私の来し方、主にヤマギシとの関わりを振り返る。といっても記録を残していなくて、曖昧な記憶を頼りにして…

◎(付)「息子の時間」を読んで。(福井著『「金要らぬ村」を出る…』より)

※本書は「手記」のようだと考えるし、著者は誠実に書いていると思うが、誠実であろうとなかろうと、実際にあったこととはずれてくる。少なからずフィクショナルな要素も入ってくるかもしれない。 ここでは、あくまで作品に描かれたことに即して見ていこうと…