〇ヤマギシ会は、戦後生まれた共同体として、全人幸福社会の実顕を目指し、無所有・共用・共活を標榜する「実顕地」を各地に展開し、一個人や一家族を越えた一体生活(「財布ひとつ」の生活)体として、農業・畜産・林業を中心とした生産活動を行って、発足…
〇「自分の足で立ち、自分の頭で考える」 ②で次のことを書いた。 〈人が生きていくときに、考えたり問い続けたりすることは大切にしたいと思っている。それに先立って「自分の足で立ち、自分の頭で考える」ことは必然的なことである。〉 だが、「自分の足で…
〇私の知る限り、ヤマギシズム学園高等部に在籍していた生徒が、当時の実態をありのまま書き綴った書籍は、本書しかないと思う。また、青少年の成長に欠かせない大事なテーマがあるとも思う。 まず何よりも、著者が大変な厳しい思いをして過去を振り返り書き…
〇ブログ「広場・ヤマギシズム」の記事(◎ある投稿から、ヤマギシズム学園問題に触れる・2017-01-24)に、守下尚暉さんからコメントをいただきました。 そこに、ヤマギシズム学園高等部を卒業した四期生の学園生で、1994年に村を離れ、今はインディーズ作家…
※一人ひとりの主体性のある一体について、二つの論考から〇「吉田光男『わくらばの記』(2)」から 〈1月29日〉 『1937』の中で、辺見庸氏は、堀田善衛の『時間』を引用しながら、南京虐殺の死者について、死者の数が問題なのではなく、一人ひとりの…
〇時に回り道することもあるが、私にとっての焦点は変わっていない。「問い直す⑦<自発的自己抑制>の構造」の中で取り上げた問題意識をさらに私なりに深めておきたい。例によって吉田論考からの引用である。〈(前回紹介した資料の最後)「――しかしこの自立…
※過去を現在および未来に生かすことは、このブログの趣意であり、吉田光男『わくらばの記』も随時触れている。それに関してのいくつかの視点を見ていく。〇吉田光男『わくらばの記』(2)から 〈1月26日〉 未来は過去から照射するしかないと思うのだが、…
〇先回クレーマーのことを取り上げたのは、確かに現在の必要からであった。これまでわがパート職場でかなり面倒だったクレームの主要問題が今春一挙に解決し、あれっていったい何だったのと見直す余裕が生まれた。そのことを私なりに整理しておきたくなった…
※「私意尊重公意行」に限らないが、実顕地の「機構と運営」に関するヤマギシズム独特の言葉について、鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法」などから考察する。【説得的定義と「言葉のお守り的使用法」と実顕地】から 〇鶴見俊輔氏の考察に「言葉のお守り的使用…
〇『山岸巳代蔵伝 ―自然と人為の調和を―』12章から ここで、思想的な集団における総意の形成について考えてみる。 ある種の思想的な集団にとって、組織の活動の広がりにともない、一人ひとりの自由意志力による総和というよりも、管理維持的な要素や能率的な…
※先回福井正之さんが言及している「私意尊重公意行」はヤマギシズム独自の表現で、おそらく山岸巳代蔵が産みだした言葉だと思う。そして、実顕地の機構と運営の中でも根幹をなす考え方と思っている。そこで「私意尊重公意行」について、しばらく取り上げてい…
〇先回、いうなれば「自分以外の何者かになろうとする」願望について考えたが、そこで私は「今ある自分の姿」とは何かが改めて問われたように思う。その過程で、私はどちらかといえば単刀直入に問題に当たってしまう自分の性急さのようなものに気づかされて…
※ヤマギシズム社会の運営の根幹をなす研鑽会について、吉田光雄さんは指標のごとく取り上げています、私も同様に思っています。ここに「百万羽子供研鑽会」について書かれた記録を 二編の論考から抜粋しました。〇「山岸巳代蔵の思想についての覚書➀」から …
〇「イズム、イデオロギーなるもの」への問いかけは私にとってかなり根が深い。今回はイズム体系全体への受容のこともあるが、より身近な日常的なジッケンチの「イムズの言葉」の受容、吸収の過程について取り上げる。それも吉田さんの以下の記述に出会った…
※山岸巳代蔵がヤマギシズム社会はどのような社会なのか述べたなかで、もっともよく現れているのは『ヤマギシズム社会の実態』の「一 真実の世界」の「各々真実の自分を知り、それぞれが真実の生き方の出来る社会を、ヤマギシズム社会としているのです。」と…