広場・ヤマギシズム

ヤマギシズム運動、山岸巳代蔵、実顕地、ヤマギシ会などに関連した広場

◎吉田光男『わくらばの記』(12)

わくらばの記 ごまめの戯言④ 〈8月×日〉 特講の歴史を自分なりの見方でまとめてみたが、夜中に目が覚めたりすると、それに関連したさまざまな出来事が思い出されてくる。そんなことをポツリポツリと書いてみることにする。 あれは私がまだ韓国にいてビザの…

◎吉田光男『わくらばの記』(11)

わくらばの記 ごまめの戯言③ 〈8月×日〉 「水俣病――魂の声を聞く」(NHK)の再放送をもう一度見た。大阪在住のSさんは、亡くなった劇症患者の姉の首に何回か手をかけたと話す。また、いま水俣に住むTさんは、重度障害の妹が自分の生きがいだと言いなが…

◎吉田光男『わくらばの記』(10)

わくらばの記 ごまめの戯言② 〈7月×日〉 白川静さんの『孔子伝』読了。2回目だが、やはりすごい作品だ。私は『論語』というものが、あまり好きではない。その道学的雰囲気が好きになれないのだ。しかし、白川さんによって孔子の姿が生き生きと蘇り、社会に…

◎吉田光男『わくらばの記』(9)

わくらばの記 ごまめの戯言① 〈5月×日〉 ※105日間にわたる入院中の日録「病床妄語」の整理が終わり、その後、折に触れて日々に起こってくる随想を書き続けている。 この随想の題名は「ごまめの戯言(たわごと)」としましたが、これらはもう日録ではなく…

◎吉田光男『わくらばの記』(8)

わくらばの記 病症妄語⑦ 〈4月15日〉 体調、特に変化なし。 医師からは胃瘻の手術を勧められているが、どうも気が進まない。その手術をしても、寿命があと二年以内ということであれば、寿命の多少の長短よりは少しでも充実した人生を送ることを優先して考…

◎吉田光男『わくらばの記』(7)

わくらばの記 病症妄語⑥ 〈4月1日〉 窓の外に遠方の桜が花開いてきた。まだ6~7分咲きで、満開までにはもう4,5日かかりそうだ。 夜中、咳はまだ少し出るが、体調はいい。 『カラマーゾフの兄弟』ようやく読み終える。もう3回も読んでいるが、その都…

◎福井正之『追わずとも牛は往く』刊行のお知らせ

〇夢太き人と大地と春の空 福井正之氏の『追わずとも牛は往く』が出版された。 この小説のエピローグの最後は、次のようになる。 〈「このことは人生についても言えるだろう。死期に近づけば近づくほど人生を右肩上がりに描きたくなる。丈雄ももはや七十半ば…

◎吉田光男『わくらばの記』(6)

わくらばの記 病床妄語⑤ 〈3月16日〉 体調はまずまず、特に問題は感じない。 一昨日、クローズアップ現代でISの女性奴隷市場のことを取り上げていた。実におぞましい現実だ。 エマニエル・トッド氏は、ISはイスラム教という宗教から生まれたのではなく、…

◎『わくらばの記』資料研に参加して

〇先日豊里実顕地に行き、吉田光男著『わくらばの記』の資料研に参加する。 当日は『わくらばの記』の2016年1月22日の箇所を資料として出し合う。 <人の目に見えなくすることで、あたかもそれが存在しないかのように振るまうのはいかにも姑息。ずいぶんそう…

◎吉田光男『わくらばの記』(5)

わくらばの記 病床妄語④ 〈3月1日〉 抗がん剤の影響で、今朝も下痢。 放射線治療は明日で終わるが、そのあとどうなるのか、岩田医師に聞く。3日に造影剤で食道の様子を調べるが、食道の腫れが引くかどうかが問題だという。 午後から夜にかけて発熱、37…

◎『追わずとも牛は往くー労働義務のない村で』の出版について

〇知人の福井正之さん執筆の小説『追わずとも牛は往くー労働義務のない村で』が4月中旬ごろに出版されるとの連絡がある。 自費出版の場合、流通や販売など出版後がいろいろな意味で大変だ。できるだけ協力していきたいと思っている。 ▼自分なりに、出版に至…

◎吉田光男『わくらばの記』(4)

わくらばの記 病床妄語③ 〈2月15日〉 体調の変化なし。念のため、胸と腹部のレントゲン、異常なしとのこと。放射線は、あと2回を今の部位で、その後の10回は位置を少しずらして照射するという。 世間では離婚が多い。ヤマギシの村でも同じだ。若い人ば…

◎吉田光男『わくらばの記』(3) 

わくらばの記 病床妄語② 〈2月1日〉 消灯時間が早いために、朝早く目が覚めてそのあと眠ることができない。ベッドの上でさまざまな想念や妄念が飛び交う。 ところでSさんの「そんな子はいませんよ」という答えが事実に反していたことは、だれも否定できな…

◎『わくらばの記』に触れて

※吉田光男さんの『わくらばの記』『病床妄語』は私の関心事と重なることも多々あり、随時その日録から抜粋し、そのことで思った私の雑感を載せていこうと思っている。(2016年9月記録を改訂) 〇個々の主体意識と実顕地の暮らし 「病床妄語(1):入院して…

◎吉田光男『わくらばの記』(2)

わくらばの記 病床妄語① 入院していると夜中によく目が覚める。特に明け方に目が覚めると、もう寝つくのは難しい。そして頭の中をさまざまな妄念がうごめき回る。その妄念の一つをつかまえて、翌日のノートに書きつける。すると翌日には次の妄念が浮かんでし…